日本私法学会誌「私法」第83号

シンポジウム
転換期の民法・消費者法報告後藤巻則ほか
担保法の現代的課題――新たな担保法制の構想に向けて報告田髙寛貴ほか
「機関設計」に関する規律の再検討報告野村修也ほか
ミニシンポジウム
保険法施行一〇年──理論的課題と展望報告山下典孝ほか
個別報告
委任契約における受任者の指図義務──弁護士に対する依頼者の指示を中心に栗田 晶
契約責任決定規範の多元性──アメリカ契約法におけるfaultの発見を端緒として木戸 茜
人格権の処分についての本人の承諾の法的意義──フランス法との比較法的考察石尾智久
事実的意思の基礎としての意思とその法的構成──サレイユ民法学における法学的なもの池田悠太
ドイツ売買論の現在──判例・学説・立法の三位一体田中宏冶
フランスにおける信託的補充指定の歴史的考察足立公志朗
フランスにおける共有物の使用及び管理に関する規律の形成佐藤康紀
時効援用権の理論構成に関する比較法的検討──フランス法における《ayant cause》概念の意義に照らして嶋津 元
肖像の商業的利用を目的とする契約の規律隈元利佳
債権関係における当事者の交替と旧当事者間における契約の効力──債権譲渡を中心として山岡 航
費用賠償の二元的構造と遅滞責任上田貴彦
株主代表訴訟の終了制度顧 丹丹
中国における親会社の支配力行使に伴う責任に関する一考察──日本法、アメリカ法との比較を通じて盧 暁斐
会社における当事者自治の可能性と限界──ドイツにおける人的結びつきの強い会社を中心として三宅 新
金融機関の融資局面における情報提供義務──社債管理者の抱える複数義務の衝突・利益相反的局面への対応鬼頭俊泰
株主総会決議の積極的確認藤嶋 肇
合併差止めの要件の検討──ドイツ法の展開から木原彩夏
会社法三五〇条の制度趣旨に関する一考察髙木康衣
準共有株式についての権利行使に関する規律仲 卓真
日仏の比較からみた「暗号資産」の法的位置づけ原 謙一
共同担保概念の民法上の意義──フランスにおける資産(patrimoine)概念をめぐる議論を通じた考察瀬戸口祐基